
ボイストレーニングの基礎的な練習として「リップロール」っていうのがあります。
今回は、「リップロール」のやり方と効果についてやってみたいと思います。

「リップロール」!!
聞いたことがあります!!
やってみた事あるけど、ちょっと難しかったです。。。

そう、簡単なんだけど、ちょっと難しい人もいるね。
でも、きっとできるようになるよ。
リップロールやり方
ボーカリストを目指してる人なら、すでにご存じの方も多いと思います。
すでに日々の練習に組み込んでいるかもしれませんね。
「リップロール」は今ではかなりメジャーなボイストレーニングで、特にアメリカのアーティストがよく使っています。
唇をブルブルと震わせながら息を吐いていくトレーニング方法です。
まさに、リップをロールするトレーニングです
たとえば、マイケルボルトンさんやセリーヌ・ディオンさん、そして2009年に亡くなってしまったキング・オブ・ポップことマイケル・ジャクソンさんまでもが、この「リップロール」を行っているので、その効果は折り紙付きでしょう。
リップロールのやり方
やり方はすごく簡単です。
唇を閉じた状態で空気を排出し、唇をブルブルと震わせる。
これだけです(笑)
「リップロール」を行うときの注意点
唇を閉じた状態で空気を排出し、唇をブルブルと震わせる。
と言いましたが、最初慣れていないと、空気を排出するときに息を出しすぎたり、逆に、息の量が少なすぎたりして、唇がうまく震えないことがあります。
肺に空気を取り込んで、腹筋を使いながら空気をゆっくりと、そして一定の量で吐き出してみてください。
大切なのは、一定の量です。
息を吐きだすときに、「ブーーー」と強く吐き出してしまうと、唇はうまく振動しないし、長く続けることができません。
しっかりと吸い込んだ空気を腹筋を使って調節しながら吐き出し、唇の振動を一定に保ちながら、約20秒ほど吐き出せるようにやってみてください。
吐き出す息の量と、リップロールでなっているブルブルの音が一定で息が途切れるまで吐き出せるとOKです。

リップロールの4つの効果
リップロールを行う事での4つの効果が考えられます。
ブレスコントロールを養える
リップロールを普段の練習に取り入れることで、吐き出す息の量を調節しやすくなります。
歌うことで、とっても重要なのは息の量を調節することなんです。
これは、例えば歌のサビで長く伸ばさないといけないときに息の量をうまくコントロールしないと途中で途切れてしまって、伸ばしきれない時ってありますよね。
または、あるフレーズ歌っているときに途中で息切れしてしまい、変なところで切っちゃったりして、歌の流れを止めてしまうってことがあります。
そうならないように普段から、しっかりと息を吸って、吐き出す息の量を調節できるように練習は必要なんですが、その練習に「リップロール」は役に立ちます。
音程を正しく取るトレーニング
「リップロール」をしながら音階の練習を行うと、普段、声で練習しているときより音程がしっかりと自分の耳に聞えます。
また、唇を震わせることで舌や口の開け方を変えたり、顎に力が入ったりせず、余計な力が入らないので、音程に集中でき、合わせなければならない音と自分の出している音程とのズレを認識しやすくなります。
これを練習に取り入れることで、次第に音程(ピッチ)がよくなっていきます。

「リップロール」は「ミックスボイス」の下地を作る練習になる。
これは所謂、「ミックスボイス」につながるトレーニングになります。
男性の場合だと、だいたいG4(高いソ)あたりの音から地声(チェストボイス)での発声は難しくなります。
そこからはヘッドボイスの要素を取り入れていかなければならないのですが、その音が切り替わる点の音を自然な流れをもって変えていく練習に役立つのが「リップロール」なのです。
「リップロール」をやりながら、音程を上げていき、先ほどの高いソの音よりも高く音程上げていきながらリップロールしていきます。
最初は当然、リップロールをしながら、高い音程にもっていくことはできませんが、練習を行っていくうちに、リップロールなら、自然なチェンジができるようになってきます。
そして、その感覚を覚えていきながら、声をだしてミックスボイスを覚えていくようにします。
というわけで、「リップロール」は「ミックスボイス」の下地を作る練習になる。
唇や表情筋のリラックス
最後は、リップロールを行う事で、顔面の筋肉のリラックス効果があります。
唇を振動させるのですから、自然と頬の周辺も振動します。
そうすることで、顔の緊張が解け、自然な表情と気持ちを取り戻すことができます。
かっと言って、完全に緊張がほぐれるわけではないですが、表情筋が硬くなって強張ってしまわないようにリップロールをライブ直前などに行うのは効果があります。
リップロール まとめ
リップロールを日々のボイトレに取り入れることで、歌う時の息の量をコントロールしやすくなります。
そして、音階練習で、自分のピッチが正確に出せているかを確認できます。
音階練習でピッチが取れるようになってくると、今度は高い音に挑戦してみましょう。
地声では出せない音程は、リップロールで出す声でもきびしい音程です。
でも、リップロールは声と違って息を声帯を使うことではなく、吐き出す息と唇の振動で出しているので声帯を傷つけることはあまりありません。
ブルブルの音を次第に変化させていくことで、リップロールをしながら高い音が出てくるようになると思います。
例えば、高いソのような男性にとって厳しい音程をリップロールで行いながら、いかにヘッドボイスの要素が多くなったブルブル音をにつなげてい行くかを自分なりに工夫してみてください。
練習をやっていくとある時、ハッと気づく時が来ると思います。
その気づきの感覚を覚えていき、声でも使えるようにやってみましょう。
(ただし、この部分は、口で言うのは簡単だけど、実際にやるのはむずかしい💦)
無理のない程度に練習を続けていきましょ~
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