発声で必要な呼吸法

いろいろな声のイメージやニュアンスを表現するために必要な呼吸法を知っておこう!!

呼吸法ってなんか難しそうですね。

そうだよね。
呼吸法って聞くとなんか特別な方法があるみたいだよね。
じゃ、ちょっと見ていこう~
腹式呼吸と胸式呼吸
「腹式呼吸」を簡単に言うと「お腹を凹ましたり膨らませたり呼吸」です。
これは、横隔膜の動きを利用して肺に空気を取り入れたり、吐き出したりする呼吸法です。
この反対として扱われるのが「胸式呼吸」と呼ばれるものです。
胸の周辺で行う呼吸法で、肋間筋を動かすことになります。
簡単に言うと胸の周りが膨らんで、大きく息を吸い込むと肩が上がる呼吸法です。
実際、呼吸を行う上で、完全に「胸式のみ」とか「腹式のみ」の呼吸というのはないと思います。
どちらにウエイトが置かれているか人によって違うし、「胸式呼吸」が悪いわけでもないです。
「腹式呼吸」を覚えていくことで、酸素を沢山摂り込めたり、副交感神経を刺激させることができるので瞑想やリラックス効果を求めるときには「腹式呼吸」が適しています。
またスポーツするときなどには「胸式呼吸」によって交感神経が刺激されますので、身体を活発に動かすときに働くので必要です。
なので、「腹式」と「胸式」がうまくバランスが取れていたほうがいいと思います。

腹式呼吸とは
生まれたての赤ちゃんは皆、「腹式呼吸」です。
それは、小さな赤ちゃんでは肺の容量が小さく、胸式では呼吸ができなからです。
先ほどお伝えしたように「腹式呼吸」では副交感神経が刺激され身体をリラックスさせる効果があります。
なので、一日の中で眠っていることの多い赤ちゃんは、リラックスしている状態が長く、副交感神経が優位に働いているという事になるのだと言われています。
腹式呼吸の効果は、「自律神経が整う」ことと「体幹の深層筋が緩む」という事です。
なので、「腹式呼吸」はリラックスのための呼吸といえます。
副交感神経を優位にすることで、筋肉を和らげて瞑想や集中しやすくします。

胸式呼吸とは
赤ちゃんの頃には「腹式呼吸」だけを行って呼吸していますが、大きくなるにおつれて身体を激しく動かし、運動量が増えてきます。
そうすると、「腹式呼吸」だけでは足りなくなり、幼児期の後半あたりから「胸式呼吸」も行うようになってきます。
そして、学校に行くころには「胸式呼吸」が普通の呼吸となって、起きている時間帯はあまり「腹式呼吸」を行わなくなるそうです。
活発な運動をするには「胸式呼吸」が必要で、「胸式呼吸」を行うことで、肺全体を大きく使うことができ、肺活量を高めることができます。
「胸式呼吸」によって肺にたくさんの酸素を吸い込み、それを体全体に送りだして、体の隅々にまで酸素を与えることで、交感神経が活発に働き出しパフォーマンスを高めるためることができるということです。

ボイトレや歌では「胸式」も「腹式」も両方必要
では、歌う時に必要な呼吸法はどっちと聞かれると、僕は「両方」と答えます。
よくボイトレでは「腹式呼吸」が大切ですよ!
って言われて、お腹を頑張って膨らませたり、凹ましたりさせられる事があるのですが、クラシックの歌、例えばオペラのようなマイクを使わず、大きな会場とオーケストラの音に負けない音量で歌わなければならない場合は「腹式」を鍛えて、身体の支えを使って発声しなければなりませんが、マイクを使って歌うロックやポップスにおいては、「腹式呼吸」だけでは歌うのは逆に大変です。
なぜなら、現代の音楽はテンポが速く、言葉が詰まっているものが多いので、息継ぎのタイミングをゆっくりと「腹式呼吸」でなんかやってられないのです。
素早く吸って、次のフレーズに遅れないように一瞬で準備しないといけないこともしばしばありますよね。
あくまでも、僕の意見ですが、「胸式呼吸」を鍛えて素早く息を吸えるトレーニングも必要だと思います。
そして、もちろん「腹式呼吸」のトレーニングもしっかりと行って、丹田に支点を付けた発声法で遠くに声を飛ばす練習もしたほうがいいと思います。
なので、どちらの呼吸法もトレーニングの中に組み込みながら、最終的には意識せずに必要な呼吸法で歌えるようにするのがゴールかなって思います。
歌を歌う時の呼吸での注意点 それでもやっぱり「腹式呼吸」が大事
そうはいっても、やはり歌う時に必要な呼吸法は腹式です。
さんざん、どっちでもいいっておきながら今更なんやねん!!
って感じですが、
腹式呼吸に頼りすぎて、スピード感のない呼吸になってしまうとブレスがしっかりと行えず、歌のフレーズの途中で途切れてしまうってことになりかねないので、素早く息を吸い込むことのできる胸式呼吸も必要だってことなんです。
でも、胸式で気を付けないといけないのは、肩が上がってしまう事で、首や僧帽筋(首の付け根についている筋肉)などが胸式呼吸を行う事で硬くなってしまって、緊張してしまう事です。
歌うことは、それなりにプレッシャーのかかる作業です。
人前で歌うなんてことになると余計にですよね。
ただでさえガチガチになってしまいそうなのに、胸式呼吸で肩が上がって喉や首回りがさらに硬くなってしまった・・・
なんてことにならないように注意したいです。
なので、余計なところに力を入れないようにするために「腹式呼吸」でブレスを基本としてブレスを行う事が大切なんですね。
じゃ次回はどんなブレストレーニングを行っていけばいいのか、その練習法をお伝えしたいと思います。
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