
こんにちは。そしてこんばんは。
今回は、「声域」と「声区」について話してみたいと思います。

「声域」と「声区」ですか?
なんかむずかしそうですね・・・

「声域」は聞いたことがあるけど、「声区」はないかな・・・

どちらも、ちょっと知っておくとボイトレをする時や歌う時に役立つと思うから聞いてね。
声域とは
「声域」とは、「生理学的声域」と「音楽的声域」というのがあって、前者は歌う事とは関係なしに人が声として出せる最高音と最低音との範囲を言って、後者は、人が歌を歌う時に使える声の最高音と最低音の範囲のことを言います。
なので、僕らに必要なのは「音楽的声域」の方ですね。
「音域」が広いね~とか言われる時に使う「音域」も「声域」と同じ意味で使っている場合が多いですね。
この音楽的声域(ここからは単に「声域」と呼びます)は、
だいたいE2からF6までの約4オクターブちょっとくらいの範囲の中で、男女それぞれ、2オクターブの範囲内の声で歌を歌っています。
その2オクターブの範囲は、男性と女性で範囲が変わるし、同性の中でも声域の範囲が違ってきます。
合唱をやった事のある人ならわかると思いますが、女声ではソプラノとアルト、男声ではテノールとバスに分かれるのが一般的ですね。
さらにオペラなどの声楽の分野では、ソプラノとアルトの中間にメゾ・ソプラノを、テノールとバスの中間にバリトンが入ってきて六つに分割されます。
さらに例外的に、コロラトゥーラと呼ばれる、めちゃくちゃ高いソプラノや、カウンターテナーのような男性ファルセットのような歌唱もあるので、声域の幅はもっと広くなります。


この画像の分け方はクラシックや合唱で歌う時に、だいたいこれくらいの声域で歌う事が多いので参考程度に見ておいてください。

バリトン人がテノールを歌えないとか、ソプラノの人がアルトを歌ったらダメとではなくて、出す人の声の高さや音色で分けているだけです。

ポップスを歌う時も同じなんですか?

いい質問だね。
男女とも、基本的に地声ベースのキーで曲が作られているから、ソプラノのような裏声を使って歌う事はあまりないので、ポップスなどを歌う時は、こういった分類はあまり意味がないよ。
ポップスの声域は自由
どういう意味?
って感じた方もおられると思いますが、ポップスを歌う時は合唱や声楽のように細かな分け方は必要ありません。
合唱や声楽の場合、男性は地声、女性の声は基本的に裏声です。
なので、低いところから高いところまで男女がそれぞれのパートを分けて歌いますが、ポップスの場合は男性も女性も地声(チェストボイス)がメインです。
さらに最近のポップスは一つの声区(地声や頭声)だけで歌えることは少なくて、サビの部分などでは、頭声(裏声)やミックスボイスを使って歌う事が多いのでいくつもの声域を一人で使いわなくてはなりません。
なので声域を細かく分けることが出来きませんし、する必要もないと思います。
要は自分が気持ちよく出せる声の範囲で歌う事が重要です。
ポップスでの声域の基本は男女とも胸声(地声)
男女ともポップスなどを歌う時は話し声と同じような発声である胸声をメインにして歌います。
なので声域はだいたい下の画像の音域になります。


なるほど。。。
何となくわかってきました。


そう。
一般的な声域は地声で出る声の範囲なので、これにヘッドボイスの要素を取り入れていってより高い声をだしていくんだよ。
地声やヘッドボイスのことを「声区」と呼んでいるので、その解説をするね。
声区とは
「声区」とは、大きく分けて「胸声(地声)」・「ミックス(ミドル)」・「頭声(ヘッドボイス)」の三つに分かれます。
一般的な声域は「胸声(地声)」と呼ばれる「声区」のことで、地声や胸声、またはチェストボイスなどと呼ばれています。
「地声」は本来、話し声のことを指すので歌声に使う事は間違っていると思うんだけど、「胸声」や「チェストボイス」と言わずに「地声」と言てしまっていることも多いのでとりあえず良しとしましょう。
チェストボイス
チェストボイスは最もポピュラーな発声法で、普段の話し声のような声で発声します。
地声との違いは、身体の共鳴を利用して、響きのある力強い声を出すことです。
チェストボイスがしっかりできていればほとんどの歌が歌えます。
ヘッドボイス(頭声)
裏声のことです。
ただし、息漏れのない、声帯をしっかりと閉じた状態から頭頂に響かせる発声法です。
ヘッドボイスは力強く裏声を出せるので女性のクラシック歌手たちが使う発声法です。
ミドル(ミックス)ボイス
チェストボイスで出せる限界近くまで行くと声がひっくり返ってしまう事があります。
これは二つの「声区」である、「チェストボイス」と、「ヘッドボイス」との切り替わるとこで上手くバトンタッチが出来ず、声が裏返ってしまう現象のことです。
この声が切り替わる点を「換声点」とよび、この通過点を聴いている人が気づかないように切り替えていく方法を「声区融合」と呼びます。
そして、この「声区融合」がミドル(ミックス)ボイスと呼ばれる声です。
声楽的にはパッサージョっていう言い方になると思いますが、この発声を鍛錬することでより高い音の歌が自然に違和感なく歌えるようになります。

まとめ
声域はクラシックや合唱の世界ではきちんと分けられていて、そのパートをしっかりと勤めないと音楽になりません。
ですが、ポップスでは曖昧です。
自分の声域に合わせて楽曲側がキーを変えればいいのですから、声域がどうのこうの考える必要はあまりないと思います。
むしろ、三つの「声区」をしっかりと鍛えて、オリジナリティのある歌声を完成させる方が重要だと思います。
カラオケを歌う時にキーが高ければ少し下げればいいし、低ければ上げればいい。
ただそれだけのことです。
「声域」や「声区」は知識として知っていた方がいいし、もし声楽をやってみたいと思ったなら、自分の声域がどこなのかボイストレーナーなどに相談して決めていき、その声に合った楽曲を歌えばいいと思います。
歌のジャンルによって考え方も発声法も変わるので、自分の歌いたい歌に合わせた練習をしていけばいいですね。
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